バンクーバーで生きてみて気づいた、ほんとの幸せ。

_それで1年後、彼の住んでいるバンクーバーに戻ってきたんだよね。バンクーバーはどんな印象だった?

 

 人もオープンで、自然も豊かで。自分自身が、自由になれる感じがした。新しい土地っていう感じがしなくて、すっぽりハマっちゃった、っていう気がする。

 

_英語の勉強はどうしてた?

 

 日本でも一応ちゃんと勉強はしてたけど、最初、ビクトリアの学校での面接の時に「subway」って単語が出てこなくて、「チカテ~ツ」とか言っちゃって、「うわ~ヤバイわたし!!」って焦ったよね(笑)。
もちろんその後に英語学校でも勉強したけど、基本的にはホームステイ先の子供達とか、やっぱり一番はロッド(旦那サマ)だね。英語がうまくなったのは。やっぱり、自分の意見をちゃんと伝えたいからさ。

 

_バンクーバーに来て学んだ、成長したなって感じること、ある?

 

 もうね、バンクーバーに来てからは、すべてが学び。会う人も。感じることも。最初は、Yaletownにある日本食レストランでサーバーしてて、そんな仕事、人生で初めてだったし、正直ちょっとバカにしてたところもあったんだ。けど、すっごい大変な仕事なんだって思った。
その後、マッサージの学校に行き始めたんだけど、先生が本当にすてきな人ばっかりで、生き方も自由で。中でも憧れの先生は女性だったんだけど、人生の中心はサーフィンなんだよね。例えば冬の4ヶ月は南米でサーフィンのみの生活、あとはバンクーバーで何ヶ月、モントリオールで何ヶ月、マッサージを教えて。結婚してないけどパートナーとの間にも赤ちゃんがいたりしてて。
そんな生活、日本でしてる人周りに全然いなかったから、「え、そんな人生アリなんだ!」って。すべてが驚きだった。別に、すごいお金持ちとかじゃないんだよ。ただ自分の本当にやりたいことはサーフィンだってわかってて、それに合わせて人生を生きてる。だからもう、ハッピーだよね。好きなことやって生きてるんだから。
その先生に出会ったこと、その先生から人の体、心とのつながりを教わったことはすごく大きい。

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_その時に、「本当の幸せってなんだろう」っていうのを感じたんだね。

 

 そう。日本にいた時は、物質的にはすごく恵まれていたわけ。買いたいものは買えたし、人にも恵まれて、何かを我慢したことがなかった。でも、海外に来てからは、仕事も安定した収入は入ってこないし、日本にいた時ほど、自由に買い物もできなくなった。
でもね、日本では自分がすごい幸せだと思ってたけど、それって単に、物質的なものや肩書きによる幸せだったの。医者としての自分、乗ってる車、服やバッグ、持ってるもので固められた自信が、海外にきて一瞬でなくなって。その時に、「じゃあ、もし自分が丸裸で幸せだったら、本当に自分が好きなものを着た時にもすごく感謝できるし、それがなくても、幸せでいられる。そしたら、それが最高だよね」って、そう気づいた。

 

_それって、揺るがない幸せだよね。マッサージの学校に通い始めて、そのことに気づいたんだ。

 

 うん、あそこで学んだことはすごく多かった。クラスではマッサージだけじゃなくてビジネスのこと、自己成長的なことも習ったし、すべてが日本とは違う学習方法で、最初はすごく苦手だし嫌だったけど、そこで鍛えられたな。とにかくね、意見を言わせるの。お互いに練習しあってから、「何を感じる?」とか。「何も感じね~よ!」みたいな(笑)。うわ~、わたしこれ苦手! って思った。だって日本語ですら思いつかないのに。
そんなだから、最初の頃は、クラスメートはわたしとパートナーになるのがすごく嫌だろうなって思ってて。だってちゃんと的確な意見を欲しいじゃない? 申し訳ないって思ってたの。でも、みんなは「Arisaのシンプルな答えがすごく伝わりやすい」って言ってくれて。

 

_ArisaちゃんはArisaちゃんのままで、素直に伝えてたんだね。

 

 そうだね。日本人ってシャイだったり、思ったこと言わないとこもあるけど、自分の場合、その場の環境に適応する方だから、そんな中でも、あんまり違和感を感じなかったのかもしれない。

 

<<<次回は、Arisaちゃんをワクワクさせる“挑戦”に迫ります!>>>

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About The Author

Star☆tS 編集長 - 言葉の魔術師

兵庫県明石市生まれ。言葉のお仕事師。夢見がちなこども時代、激音と妄想まみれな思春期、販売・事務職など迷走OL時代を経て、大失恋をきっかけに晴れてコピーライターに。2007年、サンタモニカへ移住。2010年、バンクーバーへ移住。ブランディング、コピーライティング、インタビュー記事執筆などの他、絵本、小説、エッセイなど、アーティストとコラボした作品も創作中。最近ぐっときた言葉は「愛は光の速度の二乗」。 カナダ留学エージェンシー カウンセラー

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