キャンバス上をウキウキと列をなして並んだピンクやグリーン。そして清々しく広がる青い水辺が画面にさらに鮮やかな印象を与えている。今にも列車が横切っていく音が聞こえて来そうなこの作品は、春を迎えるこの季節にぴったりのハッピーな気分を運んできてくれそうだ。

At the Train Station, 24x30, acrylic

Mena Martini作「At the train station(駅にて)」:アクリル、キャンバス

 

イタリアの小さな 漁村で育った Mena Martini さんは、10代の頃にアートに魅せられ現在まで油絵、アクリル画を中心に様々な作品を世に生み出している。教鞭をとる傍ら、若い頃から積極的にアーティストの展覧会をオーガナイズしたり、ヨーロッパのギャラリーや美術館を巡っていたそうだ。また、イタリア外交官の言語プログラムコーディネーターとしての仕事が、彼女にフランスにて数年、そしてここカナダで暮らすきっかけを与えた。この世界を旅して回る経験は、彼女の国際的なアートに対する興味をより一層大きなものにした。

「Art brings silence to the mind:アートは精神に静寂をもたらす」というMenaさん。作品を描くことが、様々な体験と自身が向き合う豊かな時間を与えてくれるのだろう。彼女の絵画は抽象的なもの中心だが、その作品の中にはボートや花畑など彼女が見た景色を象徴するような場面の端々が散らばっている。思い出のあの風景や瞬間を大切に切り取って作品に映し出す。同じ日の同じ時間に見上げた青空も見る人によって見え方が違い、表現する人によってそれも様々。みんな違うから面白く、みんな違うことでお互いを讃えあえる。それでいいんだとー。アートはそんなことを感じさせてくれるものであるのだろうな。

 

Mayumiから一言:)

Nurieh Mozaffariさんの抽象画のクラスを共に受講したことがきっかけで、2008年に結成されたMenaさん、Lori Bagnérèsさん、Catherine Fieldsさん、Therese Josephさん、Sara Morisonさんの5人のアーティストグループ5senses。今でこそ各自にアトリエを持つ5人だが、当初は同じスタジオで週1、2回のペースで集まり切磋琢磨しながらそれぞれの腕を磨いたそうだ。アートに対するパッショッンや互いに励まし合いチャレンジし続けることで、作品を公開する自信をつけていき、今でも年に一度は共にグループ展を行っている。描くこと自体は自分の内面と向き合って自身で行う作業だけれど、それをシェアできる仲間がい続けることってステキなことだ。

 

 

Mena Martini

http://www.menamartini.com

過去カナダ、イタリア、フランス、スイスなどで個展、グループ展などを行う。また、2011年には第54回のベニスビエンナーレに合わせ、カナダ在住の3人のイタリア人アーチィストの一人として“Italy in the World”と題された展覧会に出展した。

 

5senses

5enses.ca

About The Author

Mayumi Kobayashi
Art Curator

日本では美術教師、陶芸教室講師として勤務。2010年春よりバンクーバーに在住、ローカル誌の編集者として活動。現在はカナダ×日本のミックス娘二人の母業に邁進しつつ、ニッティングを中心にプチ制作を楽しんでいる。アートにときめくココロと持ち前のアンテナを活かして、様々な角度から常にアートと関わる生活を満喫中

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