第三回 鈴木みほ_ACTRESS  /  PERFORMER の   ”海外”と”挑戦”

 

byTanabe + Photography

Photo by Tanabe + Photography

 

Q:海外に挑戦してみてわかったことは?

常識も文化も、ずっと当たり前だと思っていたことが当たり前じゃないんだ、ということ。
実際に海外に来て、海外で仕事をして初めてわかったことがたくさんあります。

 

_大学卒業後は、まず日本の芸能事務所に所属して活動していたんですよね。なぜ海外で女優活動に挑戦しよう!と思ったんですか?

日本で初めてイギリス人監督の短編映画に出演して、英語での演技に挑戦したことがきっかけです。

その時はまだ英語が全然できなくて、本当に苦労しました。

 

その映画出演を機に、海外の映画・ミュージックビデオ・ショートフィルムなどの出演に声がかかるようになって。

 

日本で初めて出演した外国人監督のフィルム。この作品をきっかけに他の海外関連の作品にも出演し始める。

日本で初めて出演した外国人監督の映画。他の海外関連の作品にも出演し始めるきっかけとなった作品。(写真中央)

 

海外関係の仕事に携わる中でわかったことは、例えば海外にはきちんと役者の労働組合がある。ベルギー・フランス・カナダの共同制作の映画に出演した時は、彼らには1日8時間労働という決まりがありました。彼らと日本で撮影した時に、午後2~3時くらいには終わって「これから観光しましょう!」と。えー!日本では考えられない!と本当にびっくりした。日本では連続27時間撮影現場とかもありましたしね。

その分、

海外の人々は穏やかでクリエイティブ。

日本で時間に迫られていた現場とは雰囲気が全然違いました。

 

 

それから、海外の監督からは「みほは海外にでた方がいい」とよく言われました。海外では、日本人には私のようなアジア顔が求められているので、

需要と供給が合っていることも、海外に挑戦した大きな理由のひとつです。

 

_英語に自信がなくてもイギリス人監督のオーディションを受けたチャレンジ精神、すごいですね!

英語を勉強するのはずっと好きでした。でもある日、道で外人に道聞かれても全然答えられなくて、テストの出来とは全然違うんだ!と痛感したのを覚えています。

初めのオーディションでは、質問したくても英語がわからず、日本語が話せるアメリカ人の友達に聞いて紙に書いて、しどろもどろな英語で質問してましたね。

 

 

Q:オススメの英語勉強法は?

楽しく英語を勉強できる方法なら、私は海外ドラマと英訳された漫画がオススメです!

 

_英語はどうやって勉強しましたか?

英会話教室や語学学校には通わず、日本語を学びたいというイギリス人監督とランゲージ・イクスチェンジをして、私は英語を教えてもらいました。初めは全然英語話せなくて、単語を繋げて意思疎通という感じでした。その後も他の人を探して続けて、メールだけのランゲージ・イクスチェンジも積極的にやりました。

 

メールでの英語のやり取りは、とても成長できました。目でも単語や文型、言い回しを覚えられるから。

 

初めに外国人を見つけるのはすごく大変だけど、そこからどんどん紹介してもらって繋がっていくといい。もちろん気をつけながらね!

 

誰も知り合いがいないカナダに初めて来て1ヶ月後に開いた誕生日会。たくさんの方がきてくれた。

誰も知り合いがいないカナダに来て1ヶ月後に開いた誕生日会。たくさんの方がきてくれた。(写真中央下)

 

バンクーバーでは、英訳されている日本の漫画を使って勉強しました。図書館でも借りられます。バカボンドとか手塚治虫とかね。内容が面白いから辞書を調べずにはいられなくなります。海外ドラマのDVD「フレンズ」とかもいいですね。

 

_普段、日本との感覚や文化の違いを感じることありますか?

いっぱいあります。けど、私にとっては、「自分に合ってる」と強く思っています。

日本に住んでいる時は、気にしなくていいことをすごく気にして過ごさないといけなかった。

 

こっちだと、道ですれ違った人に「そのネックレスかわいいね!」と褒められて「ありがとう!」と素直に言える、

ポジティブなシンプルさがある。

 

それに、

失敗しても「あなたはあなたよ!」という、ありのままでいいんだと思わせてくれる雰囲気が良いですね。

日本社会は、一回の過ちが取り返しつかない雰囲気もあるけど、こっちだと「そんな日もあるよね」と捉えてくれます。

 

一方で、日本の良さとして、自分がやると言ったことはやり遂げる精神のような「サムライ魂」がすごく好きです。

 

今年7月にボランティアで参加した「バンクーバー音頭」 photo by Yu Justin

今年7月にボランティアで参加したバンクーバー音頭 photo by Yu Justin

 


 

_エルサルバドル人のギタリストのバラーム(Balam Santo)さんと、美術館前で即興セッションをしたんですよね!演奏中のバラームさんに、美術館前で声かけて実現したんですよね。

カナダには、アーティストを尊重してくれる環境があると思います。

 

美術館を出たところで、バラームが演奏しているのを偶然聴いて。友人に「踊ったら?」と言われて、「日本人はこんなところで踊らないよ~!」と思って恥ずかしかったけど、本当に素晴らしい音楽で心揺さぶられるギターだった。自然に体も動き始めてる自分がいて、踊るのは今だ!と思ったんですね。

チップを持って勇気出して恐る恐る「踊っていいですか?」と話しかけたら、「ウェルカムだよ!」と大歓迎だった。お互い名前も知らない中で、お互い影響しあってヘトヘトになるまで即興で踊り続けました。

 

ギタリストのBalam

ギタリストのBalam(右)

 

観客の方も話しかけてくれて、「素晴らしかったわ!」とフィードバックももらえて、本当にやってよかった!

 

_その縁があって、日系のフェスティバルでバラームさんとのセッションに繋がったんですよね。

バラームさんはラテン系で熱い人。美術館での即興セッション後にすぐに意気投合して、「僕たちは絶対またセッションすべきだ!」と言ってくれましたね。

 


 

Q:みほさんのこれからの夢はなんですか?

コミュニケーションに興味があります。
人とアーティストを繋いで、人の人生をもっと豊かにしたい。
一つの夢は、シアターにもなるギャラリーカフェのオーナーになることです。

 

 

_今後、挑戦してみたいことはありますか?

様々な分野のアーティストのワークショップを開きたいです。いろんな人にアートを体験してもらうことで、アートの面白さをもっといろんな人に知ってもらいたいと思っています。

 

バンクーバーにて主宰した「have fun performing」ワークショップ

バンクーバーにて主宰した「have fun performing」ワークショップ

 

美術館に行ってもちょっとこのアートが表現するものわからないな~という人はいると思う。

ワークショップを通して、例えば一緒に実際絵を描いてみることで、その絵が出来上がるまでの難しさ、楽しさ、絵の価値ががわかるんじゃないかと思う。

 

そういう発見をして、アートを支援していくことに興味があります。

 

アートに垣根はない方がいいと思っていて、フレキシブルにそれをやっていけたらいいなと思っています。

けど、今は役者が楽しいんですけどね!(笑)

 

 

それから、舞台でのパフォーマンスをカナダでもっとやっていきたいです。

2014年春に、日本で「CHAiroiPLIN(チャイロイプリン)」という劇団と一緒に、若手演出家コンクールに参加しました。その時、「この劇団超絶面白い!!」と思ったんですね。舞台の概念を覆すような舞台演出で、全然想像がつかなかった。バンクーバーでも色々な舞台を見たけど、そういうのは今のところ見たことがないです。

東京では劇団がたくさんあるので、どんどん新しさを追求していると感じます。

 

各国で活躍中のN.Chaeさんから依頼を頂いてコラボした作品。東京少女 (Dream girls), (2015) Photographed by N.Chae

各国で活躍中のN.Chaeさんから依頼を頂いてコラボした作品。東京少女 (Dream girls), (2015) Photographed by N.Chae

 

 

_みほさんにとって、挑戦とは?

私の場合は、自分の勘を使うもの。

これだ!と思ったら挑戦するのみ。

やってみないとわからない。自分がやると決めてやったら、後悔しない。やってみたら、新たな道が開けるかもしれない、そういう気持ち。

 

 

_それでは最後に、海外に挑戦しようか迷っている日本の方々へメッセージをお願いします!

もし不安でも、失敗したら帰ろうという気持ちでもいいから、まずは一度海外に来てみてほしい。

一番の心配は仕事を辞めることだと思う。けど、自分が本当にやりたいと思うなら、後悔しないためにやるべきだと思います。

 

海外は仕事の感覚も日本と違う。日本は、一度辞めると難しい社会だけど、こっちはキャリアを認めてくれて、能力があれば転職してどんどん能力を発揮していける社会です。

「世界に生きている」という意識を持つことが大事だと思っています。

 

 

鈴木 みほ(Miho Suzuki) Actress/Performer

オフィシャルサイト:MIHO SUZUKI -mihyon vision-
Facebook:Miho Suzuki Official Facebook Page

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☆鈴木みほさんの出演イベント情報(詳細については、みほさんのオフィシャルサイトまたはFacebookページをご覧ください。)

◎イベント名:『Walk the Talk』-preview
日時:Aug 31th ,2016 8pm
場所:Havana(1212 Commercial Dr, Vancouver, BC V5L 3X4)
9月8日〜15日、17日、18日に開催されるフリンジフェスティバル内の屋外作品『Walk the Talk』のプレイベント。様々なアーティストと交流する場。みほさんはダンサーとして参加します。

◎イベント名:『Uiro-uri』 by Mihyon-ichi(みひょん市) at Nikkei Matsuri
日時:Sep 3rd ,2016 4:30pm
場所:Nikkei center
演出:NIWA 出演:鈴木みほ 加藤晴香
時間変更がある場合がありますので、みほさんのウェブサイトでご確認ください。

◎イベント名:『Walk the Talk』 in Vancouver Fringe Festival 2016
日時:Sep 8th-15th・17th・18th,2016 7pm~9pm
場所:Granville island
バンクーバーの演劇祭フリンジフェスティバル内の屋外作品です。みほさんはダンサーとして参加します。

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<バックナンバー>

第一回 鈴木みほ ACTRESS / PERFORMER 〜海外で働く日本人が答える10の質問〜

第二回 鈴木みほ ACTRESS / PERFORMER の”原点”と”ゼロ→イチ”ポイント

About The Author

Kana
ライター/キュレーター

2015年9月よりバンクーバー在住。岩手県出身。信条は「誰かの生き方が、誰かが生きるヒントになる」。海外生活初心者の視点で、実体験に基づいた生きた情報をお届けします。海外やバンクーバーでの生活を考えている、まだ見ぬ挑戦者のみなさんが、さらに前向きになれるお手伝いができますように。

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