第二回 鈴木みほ_ACTRESS / PERFORMER の  ”原点”と”ゼロ→イチ”ポイント

 

IMG_2620m2 byTanabe + Photography

Photo by Tanabe + Photography

 

Q:今、海外で活躍しているみほさんの原点は?

初めて海外で20日間以上過ごした、パリ旅行での経験にあります。
世界には自分が知らないことが沢山あって、それを知ることは人生の選択肢を広げてくれる、素晴らしい材料になると思った。
だから、今は「知るため」に海外に来ています。

 

_日本、そしてハリウッドノースと呼ばれるバンクーバーでも、女優として活躍されているみほさん。バンクーバーでの女優としての活動について教えてください!

2015年1月から1年間、ワーキングホリデーでバンクーバーへ来て、その時は事務所に所属していました。その後、再び2016年4月からビジタービザ(観光ビザ)でバンクーバーに来ています。ワークビザがないと仕事として「役者」をすることができないため、今は商業的な作品への出演、事務所を通してのオーディションなどが一切できません。

ですので、現在は舞台、ショートフィルムなどへの出演をフリーランスでしています。

 

現在撮影中のショートフィルムの撮影風景 photo by Brian Nguyen

現在撮影中のショートフィルムの撮影風景 photo by Brian Nguyen

 

_単身バンクーバーに来て、女優としての仕事を獲得していくには相当な苦労があったと思います。

初めは本当に大変でした~!日本にいた時、カナダ人の映画監督から「カナダで女優をするのは無理に等しいよ」とも言われました。まず英語がうまく話せてないし、仮に英語が達者でも競争率が高いから無理だ、照明や音響などの裏方からやってコネクション作ったら?とも言われた。ワーホリ初期にも、いろんな関係者から「無理だよ」と言われ続けました。

でも、

「最初の1ヶ月、本気で頑張ってみてダメだったら次を考えよう!」という覚悟で必死にやりました。

 

日本とは異なるレジュメの作り方などに戸惑いながらも、事務所もきちんと信頼出来るところかどうかもインターネットなどで入念に調べまくりました。

1ヶ月間、レジュメに使う写真も本当にたくさん撮って、レジュメも数多くの事務所に送るなかで、幸運にもいくつか良いお返事をくれた事務所がありました。

 

_事務所を決めた決め手は何ですか?

あるエージェント(日本でいうマネージャー)が「まだ英語力は未熟だけど、みほはCMができるルックスがある。セリフの少ないCMから始めてみるのはどう?」と提案してくれたんです。

そのエージェントは私を心から歓迎してくれて、「会えて嬉しい!」と、初対面にも関わらず1対1で自分を見てくれた。

 

できないこともあるけど「できることを探す」という考え方に感銘を受け、このエージェントを信じてみよう、という決め手になりました。

 

_ワーホリ当時はどのような仕事をしていたんですか?

オーディションを始めてすぐ、アメリカのGeneral Electric CompanyのCMに出演することができました。カナダのCMの中でもレアなくらい大規模な仕事だったので、エージェントに恩返しができる!と思って、本当によかった~!とホッとしたし、嬉しかったのを覚えています。他にも、今年の終わりに公開予定のハリウッド映画に出演しました。1年いても仕事契約ゼロの人もいるし、いつ仕事がなくなるかわからない業界なので、仕事が決まるまでは不安でいっぱいでしたね。

また、ボイスオーバー(アフレコ)の仕事も入り、テレビドラマや映画の日本人女性の声をやりました。

 

ワーホリ時代、バンクーバーの情報誌「Oops!」さんに取材していただき、表紙にもしていただきました。

ワーホリ時代、バンクーバーの情報誌「Oops!」さんに取材していただき、表紙にもしていただきました。

 

 

_ワーホリを終えた後も、また海外での生活を選択したんですね。

2016年1月に帰国した時に、

「今年は絶対日本にいない!」

と決めたんです。

 

_なぜ「今年は日本にいない!」って決めたんですか?

バンクーバーに来る前に20日間以上の長期旅行を何度かしていました。

パリ・ロンドンでは、アーティストのホストファミリーにお世話になりました。初めて日本じゃない家庭の日常に触れ、

なんて素晴らしく幸せな家庭なんだ!と感動しました。

20代と10代の息子さんがいましたが、自分の父母を心から尊敬して、他の人に対しても堂々と褒めたりしていた。日本では、身内のことを謙遜する文化がありますよね。

 

どちらの価値観が良い、悪いとは思わないけど、私は、パリの価値観の方により興味を持ちました。

「海外で生活するということは、人生の選択肢が増えていくこと」だと感じた。だから、私は世界を見ないといけない、と強く思いました。

 

_2016年に滞在する国として、なぜもう一度バンクーバーを選んだんですか?

他にも選択肢はあったけど、バンクーバーがとても素晴らしい街だったので。

それに、ワーホリ時代に、家族のように頼れるくらいの友人が大勢できたんです。週一の台本読みに参加して、初めは全然英語の台本が読めなかったけど1年間続けたり、バドミントンサークルにも入りましたね。

バンクーバーでは本当に人に恵まれて、「帰る場所」みたいな存在になりましたね。

 

ワーホリ時代から通っている、「台本を読む会」のみなさん。ワーホリを終えて日本に帰る直前に写真撮影(当時はバンクーバーに戻って未定でした。)

「台本を読む会」のみなさん。ワーホリを終えて日本に帰る直前に写真撮影。当時はバンクーバーに戻ってくるか未定。(写真中央下)

 

それから、役者としての仕事環境が日本と大きく違ったことも衝撃でした。

 

_大きな違い?

日本では役者業界特有の慣習によって、演技と関係のないことで苦しむことが多々ありました。それが当たり前だと思っていたけどバンクーバーに来て、そうじゃないと知りました。

海外では監督、制作だけでなく、役者や他の仕事にも平等に尊敬があり、アート性や実際のスキルを大事にしているように感じます。作品を大切にして、一緒にクリエイティブなものを作っていきましょう!という、お互いへの尊敬が体制として素晴らしいと思います。

 

現在撮影中のショートフィルム photo by Brian Nguyen

現在撮影中のショートフィルム photo by Brian Nguyen

 

予算のかけ方も違いますね。役者が過労にならないように、撮影日数も余裕をもって確保されている。役者の労働組合が存在して、「役者を仕事に」というシステムがきちんと構築されているなと思います。バンクーバーでワーホリしてた昨年1年間は、初めて女優の仕事だけで生活できました! 日本ではデザインのアルバイトを役者の仕事と掛け持ちしてました。

海外に出てくることは賭けだったけど、結果として「もっとバンクーバーにいたい!」と思いましたね。

 

Q:日本では、海外と異なる環境で役者を続けてきてくじけそうになったことはありませんでしたか?

たくさんありました。いいこともそうでないこともありましたが、演技すること自体が辛いということでなく、人の顔色を伺ってばかりで仕事をしていて、辛い時期もありましたね。

 

Q:それでも続けてこられたのはなぜ?

一度やめようと思ったけど、やっぱり、やめられなかったです。

大学時代に自分で作品を演出したんですが、すごく苦しかった。アートは絶対的な答えがないから、考えて考えて、苦しくて「心が耐えられないかもしれない」と思いました。他のことを目指そうとしたけど、でも結局アーティストを止められなかったですね。

 

Balamとの二度目の即興パフォーマンス at 七夕祭り in Nikkei center

ギタリストBalamとの二度目の即興パフォーマンス at 七夕祭り in Nikkei center

 


 

Q:女優として生きる今のみほさんに繋がるターニングポイントはなんですか?

大学3年生の時の教授だった劇作家の清水邦夫さんに、「役者やってみなよ」と言われて。
人前で喋るなんて無理・・・と思っていたのに、咄嗟に「やります」という言葉が出ていました。

 

_高校、そして最初に進学した大学ではデザインを専攻。当時はデザインを職業にしたいな、と考えていたんですか?

高校時代のデザインの成績が良くて、自分に向いてるのかな?と思ったんですね。でも、大学でデザインの授業を受けている中で、職業としてのデザインは自由な発想だけではやれないと感じました。

将来に悩む中で、高校時代の担任から、多摩美術大学の再受験を勧められて。学科などを調べてみたら、映像、ダンスなど、様々なアートで「自分の表現したいもの」を表現できる映像演劇学科を発見して、受験し直しました。

 

_いつから本格的に女優を目指そう!と思ったんですか?

子どもの頃からすごくシャイで人前で話すのが苦手で、自信がなくてウジウジしているような自分と真逆のところにある「役者」という道。やっていいのか?という思いもありました。

 

でも、大学3年生の時に清水先生に進路相談をしたら、「君、役者やってみなよ」と、背中を押してもらいました。そこから、役者を目指し始めました。

初舞台で主役をいただいて実際に演じたときに、ものすごい難しいけど、すっごい面白い!!

と感じました。発見もたくさんあって、面白すぎて中毒性がある!と。

やりたいことが今あるのに、それをやめるのは、自分の人生それは違う、と思いました。

 

 

<<<次回は、鈴木みほさんの”海外”と”挑戦”に迫ります!>>>

 

鈴木 みほ(Miho Suzuki) Actress/Performer

オフィシャルサイト:MIHO SUZUKI -mihyon vision-
Facebook:Miho Suzuki Official Facebook Page

**************************************************************

☆鈴木みほさんの出演イベント情報(詳細については、みほさんのオフィシャルサイトまたはFacebookページをご覧ください。)

◎イベント名:『Walk the Talk』-preview
日時:Aug 31th ,2016 8pm
場所:Havana(1212 Commercial Dr, Vancouver, BC V5L 3X4)
9月8日〜15日、17日、18日に開催されるフリンジフェスティバル内の屋外作品『Walk the Talk』のプレイベント。様々なアーティストと交流する場。みほさんはダンサーとして参加します。

◎イベント名:『Uiro-uri』 by Mihyon-ichi(みひょん市) at Nikkei Matsuri
日時:Sep 3rd ,2016 4:30pm
場所:Nikkei center
演出:NIWA 出演:鈴木みほ 加藤晴香
時間変更がある場合がありますので、みほさんのウェブサイトでご確認ください。

◎イベント名:『Walk the Talk』 in Vancouver Fringe Festival 2016
日時:Sep 8th-15th・17th・18th,2016 7pm~9pm
場所:Granville island
バンクーバーの演劇祭フリンジフェスティバル内の屋外作品です。みほさんはダンサーとして参加します。

**************************************************************

<バックナンバー>

第一回 鈴木みほ ACTRESS / PERFORMER 〜海外で働く日本人が答える10の質問〜

About The Author

Kana
ライター/キュレーター

2015年9月よりバンクーバー在住。岩手県出身。信条は「誰かの生き方が、誰かが生きるヒントになる」。海外生活初心者の視点で、実体験に基づいた生きた情報をお届けします。海外やバンクーバーでの生活を考えている、まだ見ぬ挑戦者のみなさんが、さらに前向きになれるお手伝いができますように。

Related Posts