第三回 髙橋梨紗 音楽家/monaRisasmilesの“海外” と “挑戦”

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photo by Mikako Chiba

_10年住んでみて、海外だからこそ成長できたことって、ある?

今のわたしがいるのは、日本を出たおかげだって思ってる。海外に出てみて、自分が変わったっていうよりは、広がったっていう感じ。

今、わたしの考え方は「十人十色」が基本。バンクーバーは特にそう。肌の色も国籍もいろいろ。だから10人いたら、全員違う考え方。でも日本だと、10人いたらみんな同じ考えじゃないとダメ、もしくは「わたしも同じ考えです」って言わないと、成功できなかったり。

海外で初めて、「人ってみんな違っていいんだ」って。自分の考えや意見を持つことの重要さにも気づいた。 

海外ですてきな仲間と出会う。ことにとても恵まれてます。

海外ですてきな仲間と出会う。ことにとても恵まれてます。

_日本を出て、日本人としての意識、強みや弱さを感じることは?

日本人の強みは、忍耐力。わたしにはないけどね(笑)! 「石の上にも三年」っていうメンタリティは日本人ならではだと思う。ちょっと負けそうになった時に、「もうちょっと頑張ってみよう」っていう粘り強さ。でも、それが裏目にでて、too muchになりすぎる人も多いから、バランスは大切だと思う。

_Risaちゃん自身、「自分は日本人だ」って意識はある?

「何人?」ってよく聞かれるけど、自分はインターナショナルだって思ってる。日本にも、カナダにも属してない自分がなんだか悲しいって思った時に、「なんでもいいじゃん!この地球に住んでるんだ!」って気づいたの。

バンクーバーで活躍する音楽家たちと。才能あるアーティストとの演奏はいつも刺激的!

バンクーバーで活躍する音楽家たちと。才能あるアーティストとの演奏はいつも刺激的!

_「地球人」なんだよね。じゃあ日本にいる人に対して、「こんな生き方もあるよ」って伝えていきたいことは?

日本は島国じゃない? だから考え方が偏ってるってのはすごくある。

やっぱり、世界は見たもの勝ち。世界に出れば60何億もの人が住んでて、それぞれが、み~んな違う考え方を持ってるんだよ。それを思えば、日本国内で出会ったひとたちのコミニティなんて、どんだけ小さな世界なんだ、って。

それが悪いとかじゃなくて。でもこれから、世界はもっともっといろんなことがミックスして、グローバル化されて、最終的には「わたしはどこの国の人!」っていうのが、なくなってくると思うんだよね。悲しいといえば悲しいけど、インターナショナルな世界になるにつれ、小さな自分の生活範囲の中でしか物事が見えてないのは、さみしいし、もったいないんじゃないかな?って。

_海外でいろんなひと、いろんな生き方を知ることで、りさちゃんの人生はどう変わった?

もちろん、すごく楽しくなったし、一方で悩みや心配も増えたど、でももともとわたしは、知らないことを知りたいひと。好奇心で生きてる。

例えば、「この人種の文化が、宗教が知りたい!」って思ったら、ちゃんと聞く。それを知ったら「じゃあなんで戦争が起きてるんだろう?」とか、世界で起きていることの背景も、だんだんわかってくる。

_働き方に関してはどう? 日本と海外との違いを感じる?

日本に帰国するたびに、みんなものすごく一生懸命働いているひとだらけでビックリする。この人たちがいなきゃ成り立たないことはたくさんあるし、この人たちがいてくれるからこそ、国が成り立ってるんだ、って、すごく尊敬する。

けど、他の国はそんな風には働かない。残業もしない。バケーションもちゃんと取って、家族との時間を楽しんでる。それでも国はちゃんと回ってるし、しかも生活自体、そんなに差はないんだよ。そいう面で、「他の国も、見てみたら?」って思う。

「これしかやり方ない!」って、他を知らないとそれで行き詰まりになっちゃう。そいういう意味で、海外出たら、人生観が180度変わるって、思う。

バンクーバーでお気に入りの朝ヨガ。定期的にYOGAに通うこともHAPPYの秘訣。

バンクーバーでお気に入りの朝ヨガ。定期的にYOGAに通うこともHAPPYの秘訣。

_働き方以外にも、日常的に感じる違いはある?

“褒める”・”褒められる”ことかな。日本の人は普段褒め慣れてないから、逆に褒められた時にも上手に受け取れない。でも、社交辞令であれ挨拶であれ、その言葉が出てくるってことは、その気持ちが100でも50でも、その人が責任を持って言ってると思うんだよ。だから、ありがたく受け取って、「ありがと!」って笑顔を返せばいい。ちゃんと気持ちを受け止めないと、褒めてくれた相手を尊敬してないってし、自分もいじめてることになる。

自分で「褒められるのってうれしい!」ってわかったら、他のひとのことちゃんと見て褒めてあげたり、それでもっといいエネルギが回っていくと思うんだ。

海外の、ひとに対するリスペクトって、日本のやり方とちがう。カルチャー、バックグラウンドそれぞれちがうから仕方ないけど、でもいいことは、お互いに学んでいったらいいと思う。

_Risaちゃんのこれからの活動や、挑戦していきたいことは?

もちろん、音楽! 

教会での指揮や、歌の仕事、コンクールの審査員、いろいろあるけど、特にやっていきたいのは子供たちに教えること。これからは夏に向けて、子供たちとお母さんのためのサマーキャンプや、リトミック、合唱、のプログラムを考えてる。

ヨーロッパへの遠征はほぼ毎年行ってます。サグラダファミリアなど、各国の世界遺産で音楽できることはとても幸せ!

ヨーロッパへの遠征はほぼ毎年行ってます。サグラダファミリアなど、各国の世界遺産で音楽できることはとても幸せ!

_音楽を、誰かに、特に子供たちに教えるのは、Risaちゃんにとって大きな喜びでもあるんだね。

そうだね。音楽でその人の心を少しでも動かせたら、子供であれ大人であれ、嬉しい。だけど心が一番動くのが、子供なんだよね。

合唱団のある男の子がね、歌ってる時に手をあげて、「この曲歌ってると、すごく胸が締め付けられる」って。「どうして?」って聞いたら、「わかんないけど、すごく愛おしいひとのこと想ってる歌ってる曲なんだよね」って。まだ小学二年生だよ。その感情を、普段の生活で、もしくはわたしが教えてあげることで、引き出せる? 曲を通じて、音楽を通じて、合唱団で歌うことで、その子はその感情に接してる。

たとえそれが悲しい感情、くやしい感情だったとしても、人が持ってる感情すべてにアクセスすることは、すごく大切。だからその時に、「わたしがやってることは、莫大なパワーがあるんだ」て、気づいたの。

子供の感情って、すごく豊かで、でも、環境によって表現できることってすごく限定されちゃう。だから、無限大に表現できる場所をつくってあげたら、その感情にきちんとアクセスすることができる。そして「自分がこういう感情を持ってるんだ」ってことを知って生きてれば、もっと平和な世の中にあるんじゃないかな?って思うの。

子供合唱団の活動に力を入れています!貧しくて、音楽をできない子供たちにリーチアウト!

子供合唱団の活動に力を入れています!貧しくて、音楽をできない子供たちにリーチアウト!

_じゃあRisaちゃんは。音楽を教えることで、世界平和を広めているんだね。

そうだと思う! 

今、ファイナンシャルのお仕事も始めてビジネスマインドを鍛えてる理由は、そこにもあるの。

将来、自分が上に立って、子供たちの合唱団を設立したいって思ってる。一人でも多くの子供たちとつながりたいし、その子達を連れて、老人ホームや病院で演奏して、おじいちゃんおばあちゃん世代にもいい影響を広げていきたい。

だけど、そこまでたどり着くのには、人脈も、リサーチも、マーケティングも必要。一人でやるんじゃなくて、チームで助け合って大きなミッションを達成することは、ファイナンシャルのビジネスからものすごく学んでる。仕事のスキルもそうだし、ひととしても勉強させられることが、本当にたくさんある。

ファイナンシャルビジネスの仲間たちは家族そのもの。世界中からメンバーが集うラスベガスでのコンベンションも刺激的だった!

ファイナンシャルビジネスの仲間たちは家族そのもの。世界中からメンバーが集うラスベガスでのコンベンションは圧巻!

_いつもそうやって、いろんなジャンルで活躍しているRisaちゃんから、「海外に行きたいけど勇気がない」「海外に来たけど、本当にやりたいことが見つからない」って立ち止まってる人たちにメッセージをお願いします。

わたしが一番嫌いなのは、食わず嫌い。食べもしないのに、これやだっていうのは、すごくもったいない。

「海外に行きたい」、「英語を勉強したい」、「バンクーバーで働きたい」、そんな最初の想いがあるなら、まず一歩踏み出してみたらいい。失うものなんて、何もないでしょ。

わたしなら、与えられた機会はぜんぶ逃さない。例えば今、語学学校に行ってるなら、色んなアクティビティーがあるでしょ。ハイキング、BBQ、スポーツ、とにかくなんでも参加してみる。あと、一人でもいから、日本人じゃない子と、つるんでみる。チャイニーズ、コリアン、みんなやっぱり、同じ国の友達で固まったりするのは得意。だから、その一人で友達になることで、そこから輪が広がる。

自分らしく生きていいんだって、海外に来て知った。

自分らしく生きていいんだって、海外に来て知った。

_特にワーホリや学生ビザで期間限定で海外に来ている子たちは、自分の本当にやりたいことを見つけるために、一生懸命になってたりもするよね。そんな子たちにアドバイスは?

「やりたいこと見つけなきゃ!」って思うことも、すごくストレス。無理に見つける必要なんてないんだよ。とにかく目の前にあるを楽しむこと。

たとえば、学校のアクティビティーでハイキングに行って、「すごく気持ち良かった!!」って思うでしょ。「何が気持ち良かったんだろう?」って、考えてみる。グループで過ごしたこと、山に登ったこと、自然に包まれたこと……。それを見つけてみることで、次の楽しいことにつながっていく。きっかけって、ほんの小さなこと。そのうちに何か感じるものが見つかる。

数年前からバンクーバーで毎週習っているフラダンス。

数年前からバンクーバーで毎週習っているフラダンス。

_とにかくやってみる、っていう時に、なかなか決断できないっていう子も多いんじゃないかな。つい悩んじゃったり。

わたしは、悩むことってすごく大事だと思ってる。だって、次に行きたいからこそ、悩んでるんでしょ。でも、悩みに費やす期間も重要。だって、長ければ長いほど、同じ場所にしか座ってないことになるよね。

たとえば、「AかBかどっち?」って時に、Aにするって決めた。で、仮にAが失敗だったとする。「じゃ、次はBをやってみよ!」で、「まあ成功とは言えないけど、Aよりはよかった!」。この時点で、2つのことを経験してる。

でも、もしつっ立ったまま、「AB、どっちが正解?」って悩んでたら、何の経験にもならない。同じ時間で、決めた方の人は、もう二つも経験してるんだよ!

人生、経験したもの勝ち。成功だろうが、失敗だろうが、関係ない。それを、次にどう活かすかだから。どんどん決断してったがいい。

_そうだよね! じゃあ、Risaちゃん自身が壁にぶつかった時に、そこを抜け出すための必殺技をみんなに教えて欲しい!

Youtube(『MonaRisa Smile』)でもいつも話してるけど、

人間誰でも、壁ぶつかることは100万回ある。そんな時に何が大切かって、自分の原点に戻ってくること。

悩んでる時は、今あるものを、一回冷静に見てみる。そしたら、自分がどれだけラッキーなんだって、気づくよ。「なにやってんだ、わたし? ぜんぶあるじゃん!」って。ただ見方が違ってたり、自分が行動してなかっただけだったり、人に何か言われてそのエネルギーにひっぱられてただけだったり、人と比べてしまっていたり。

どんな状況だってたいてい、必要なものはぜんぶ持ってる。逆に、不必要なものを持ってたらそこで手放せばいい。もちろんわたしだって、簡単じゃない時もあるけど、そうやって客観視することに慣れてたからは、だいぶ楽になった。自分で自分を痛めつけることをしなくなった。

_そうだね。「今、目の前にあるものに感謝する」ってことかもね。

もちろん! こうして今日生きてることへの感謝も感じるし、自分が努力できてない部分も見えてくる。そしたら、問題が簡単になるんだよ。壁にぶつかったときって、ぶつかってること自体に集中しちゃってる。それしか見えなくなってる。そこでいったん、「あ、わたし今壁にぶつかってる!」って客観視して、受け入れて、「じゃあ、根本的な問題はなに?」って一歩進めたら、そこに足をとられる時間が短くなる。

みんな同じなんだよ。落ちる時は落ちる。仕方ない! だって、それがないと幸せの意味もわかんないし、みんながみんな、毎日ハッピーで生きてたら、つまらない世の中だと思うから。

家族での旅行は私のエネルギーの元。クオリティタイムを家族と過ごすことはとても大切。

家族での旅行は私のエネルギーの元。クオリティタイムを家族と過ごすことはとても大切。

_ありがとう! じゃあ最後に、Risaちゃんにとって、挑戦とは?

自分に素直になること!

わたしはたぶん、それが何より苦手だと思う。小さい頃からずっと、さんざん人の目を気にして生きてたから。でも、今日一日、自分に素直でいられたら、心も体も健康でいられる。

ぜんぶ、そこから始まる。まず、自分が幸せでいられるように、気持ちを満たすこと。それから、その幸せをみんなに分けてあげられる。

だからこそ、まず第一に自分に素直に。人生を、ハイブリッド&エコでドライブさせていくためには、ほんと、自分にいちばん素直でいてあげないと、もったいないんだよ!

過去の記事「髙橋梨紗〜海外で働く日本人が答える10の質問〜」を読む
過去の記事「髙橋梨紗の“原点”と“ゼロ→イチ”ポイント〜」を読む

 

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Risa Takahashi

音楽家・指揮者・スマイルライフアドバイザー

ぎりぎり昭和生まれの宇宙人。育ち盛りはいじめにあうが、海外留学に救われ「そのままの私を受け入れてくれる人が沢山いる!」と気づく。オーストラリアへ留学後、バンクーバーのカレッジでピアノを専攻、4年後主席で大学を卒業。その後University of British Columbiaの合唱指揮科・博士号課程を卒業。現在音楽家・指揮者として活動する他、メイクレッスンや、ファッションアドバイスなど、人の輝きを引き出すイベントやワークショップなどでも活躍。Youtubeチャンネル『MonaRisaSmiles』でも多角的な情報を発信中!
『MonaRisaSmiles』Facebookページ

楽しみながら子供たちと音楽の絆を深めるリトミック教室も随時開催中!

『Smileリトミック講座』Facebookページ

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About The Author

Star☆tS 編集長 - 言葉の魔術師

兵庫県明石市生まれ。言葉のお仕事師。夢見がちなこども時代、激音と妄想まみれな思春期、販売・事務職など迷走OL時代を経て、大失恋をきっかけに晴れてコピーライターに。2007年、サンタモニカへ移住。2010年、バンクーバーへ移住。ブランディング、コピーライティング、インタビュー記事執筆などの他、絵本、小説、エッセイなど、アーティストとコラボした作品も創作中。最近ぐっときた言葉は「愛は光の速度の二乗」。 カナダ留学エージェンシー カウンセラー

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