カナダを選んだのはどうしてですか?

「多国籍、多文化。自分が自分でいられる街だから」

旅の途中、いろんな出会いがあってビーガンになって。

オーストラリアとニュージーランドではキッチンで働いてたんだけど、自分の気持ちが入らないものをお客さんに出すのが正直、つらくて。

で、バンクーバーは多国籍な街で、ベジタリアン・ビーガンフレンドリーだって聞いて。それで決めた。

実際に住み始めてみて、食生活はもちろん、自分が自分でいられるっていう開放感はすごく感じてる。

 

英語はどうやって勉強されましたか?

「基本は地道に。あとは好きな友達と、とにかく話す!」

基本の文法や単語は地道にやったけど、その後はいかに英語で楽しむかを心がけた。

やっぱり英語も、話したい人と話すべきだと思う。好きな人や仲のいい友達ができたら、

できるだけ一緒にいれば、どんどん話せるようになるはず。マンガとかゲームもいいと思う。

英訳されてる日本のマンガもたくさんあるから。「ドラクエ」とかも英語でやった! 洞窟よりも、

街に来ると英語をたくさん読まなきゃいけないから面倒臭いんだけど、ちゃんと読まないとクリアできないし。

長老、話長いなぁ……みたいな(笑)。

 

もしも海外に出てなかったとしたら、何が違ってたと思いますか?

「世界から見た、日本人としての自分に気づけた」

まず、世界から見た、日本人としての部分に気づけたことかな。

インド、カナダ、いろんな国の視点から見られること、またその視点と向き合うことで、人間的にも成長できたと思う。

故郷の長野、松本も大好きだし、いつか帰りたいと思ってる。

でも、今はバンクーバーが好きで、ここにいる。

もしバンクーバーで生まれてたとしたら、ここにはいないと思う。

逆に松本にいて、「海外楽し~!!」って言ってると思う。

 

作品の中に、「これを伝えたい」というメッセージはあるのでしょうか

「詩は、受け取った人のもの。自由に楽しんでほしい」

表現すること自体がメッセージではある、とは思う。

でも、何か特別えらそうなことを言いたい、というのはさらさらない。

「こういうものを作りました、どうぞ」とさし出して、それを受け取る人がただ楽しんでくれたらうれしい。

作品は、自分から手放したものなので、読み取り方は人それぞれ自由であってくれたらいいと思ってる。

 

『ポエムドロイズオンリー』のイベントは、そうやって一人一人が詩を楽しむ場所なのだとか?

「そこにいる人の数だけ物語が生まれる。それが面白い」

例えば『ポエムナイト』では、ひとつの作品を朗読したあと、皆がいったん吸収して意見を自由に言い合う。

「彼女はこう思ったんじゃない?」とか「こんな服を着てたと思う」とか、10人いれば10人の物語が生まれて、本当におもしろい。

それと、自分とビーガンシェフである奥さんのビーガン料理も一緒に楽しんでもらってる。

それ目当てで来る人も多いかも!(笑)

 

ご夫婦ともに、料理はもともとお好きだったんですか?

「何を食べるかが、自分自身を、作品を創るって思ってるから」

自分は実家にいる時、家族に言われて毎晩夕食を作るようになったのがきっかけかな。

まず決めたのが、「無駄にしない」「シンプルに」「食材と対話をする」、この3つのテーマ。

パスタが多かったんだけど、イタリアンはすごくシンプル。だからこそ、いい素材を使わないと美味しくならない。

そこはローフードや、ビーガン料理と共通しているのかも。

奥さんは出会った時から料理が得意だった。今でも彼女の料理の大ファンです(笑)。

食べているものが体となり、脳となり、精神となり、そこから作品が生まれる。

何を読んでいるのかよりも、何を食べているのか、それが文学なのだと思います。

 

バンクーバーに来てからの活動を振り返ってみて、どう感じますか?

「ここに来た時に思ってたことは、ほぼ実現してる!」

この2年間、いろんなジャンルのアーティストと組んできたし、日本でのツアーも実現した。

ビーガンプリン屋もオープンしたしね(笑)! それはすべて、ここで真剣に自分と向き合うって決めた時に「こうなったらいいな」と思っていたこと。

想いを発信して行動すれば、エネルギーが生まれて自然と人とつながるし、形になるって実感してる。

詩はまだまだマイナーなジャンルだけど、すべての芸術はエンターテイメントとして成立すると思ってるから、

これからも万人に楽しんでもらえるような作品や場を作っていきたい。

 

自分の一番の才能はなんだと思いますか?

「詩を書くこと」

 

生まれ変わって、職業を選べるとしたら、何になりたいですか?

「やっぱり、詩人だね。詩人がいちばんカッコイイ。それ以上にかっこいい仕事はない。俺にとっては」

 

StartS読者へのメッセージをお願いします。

「人や社会や過去が君を裏切ったとしても、挑戦だけは裏切らない」

 

第一回「想いが昇華して生まれた “断片”たち」 第二回「旅路で出逢った未知と、新しい自分」 第三回「バンクーバーで開かれた道、塞がれた道、そして本当の道へ」 第四回「詩人・高山宙丸のゼロ→イチポイント」

 

高山宙丸
1979年、長野県松本生まれ。詩人。法政大哲学科卒。2007年より4年半、世界を放浪。
カナダに住むビーガン。Vegan Pudding & Co. オーナー。
オーストリア人アーティストBello Benischauer 氏のアートプロジェクトに翻訳、パフォーマーとして参加 (http://www.artinprocess.com)。
アパレルブランドGlobal WorkのCM企画「世界人」に選ばれ、大沢たかお氏、長澤まさみ氏と共演(https://www.youtube.com/watch?v=7ws8y_bHW54)。
2014年春、第1詩集「月とブランコ」を刊行。
http://www.takayamasoramaru.com

About The Author

Star☆tS 編集長 - 言葉の魔術師

兵庫県明石市生まれ。言葉のお仕事師。夢見がちなこども時代、激音と妄想まみれな思春期、販売・事務職など迷走OL時代を経て、大失恋をきっかけに晴れてコピーライターに。2007年、サンタモニカへ移住。2010年、バンクーバーへ移住。ブランディング、コピーライティング、インタビュー記事執筆などの他、絵本、小説、エッセイなど、アーティストとコラボした作品も創作中。最近ぐっときた言葉は「愛は光の速度の二乗」。 カナダ留学エージェンシー カウンセラー

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